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Yoroi wallet:SecondFiの資金回収ツールとは

yoroi walletとして知られていたウォレットは、2026年4月にSecondFiへ名称を変更し、現在は運営を停止しています。チームは運営の再開を見送ることを決め、今の役割は影響を受けた利用者の資金を返還することです。有用な質問は「自分の資金をどうするか」ではなく、「返還がどこまで進んだか」に変わりました。
混同してはいけない数字が2つあります。公式の発表は4件の流出イベントに言及しています。最初の3件は外部の攻撃者によって実行され、374アドレスから16.1M ADAが失われました。4件目はホワイトハッカーによるものとされており、その資金について同社はアクセス可能で保護下にあると報告しています。これとは別に、緊急回収措置により約129M ADAが確保され、独立したカストディアンへと移されました(Fetchによるオンチェーン分析では、対象は約2,850ウォレットに及ぶとされています)。本記事が扱うのはこの2つ目のフェーズです。
SecondFi回収の関係者
| 主体 | 何か | なぜ重要か |
|---|---|---|
| SecondFi | 旧Yoroiとして知られたEMURGOのウォレット | 運営を停止し、現在は回収を担うチーム |
| zkSecurity | 独立系の監査会社 | 回収ツールのコードを監査 |
gnark |
サードパーティの暗号ライブラリ(Consensys) | 重大な2件の不具合はここにあり、SecondFiのコードではなかった |
| CIP-1852 | Cardanoのクレデンシャル派生規格 | ZK証明の土台 |
回収は何が終わり、何が残っているか
9月15日の公式アップデートは作業を3つの柱に分けており、まだ開いているのは1つだけです。
- プラットフォーム:脆弱性は修正済みで、独立したコードレビューも完了しています。
- 移行:ツールv2が公開中です。ステーキング中の残高に対応し、ADAを持たないウォレットのネットワーク手数料も負担します。
- 資産回収:ZK証明を使うツールが残された唯一のピースで、資金を回収できるようにするのはこれです。
すでに公表された技術的な区切りは、ZK証明の監査が9月9日、スマートコントラクトの監査が11日、返還(refund)のレビュー開始が14日です。
公式タイムラインとタイムゾーンの注意
ツイートのグラフには注意が必要です。日付はシンガポール時間(SGT、UTC+8)なので、チリ時間とはそのままは一致しません。
| 日付 | マイルストーン(回収ブロック) | 状態 |
|---|---|---|
| 6月29日 | EMURGOの回収ファンド発表 | ✅ 完了 |
| 7月2日 | 影響を受けたウォレットの確認ツール | ✅ 完了 |
| 9月9日 | ZK証明の監査完了 | ✅ 完了 |
| 9月11日 | スマートコントラクト監査完了 | ✅ 完了 |
| 9月14日 | 返還(refund)レビュー開始 | 🟡 レビュー中 |
| 9月末 | ツールのリリース(予定) | ⏳ 未完了 |
ツールはいつ公開されるか、それまでに何をすべきか
公表されているのは2026年9月末で、最終レビューと本番環境のチェックが条件です。具体的な日付はまだなく、チームはリリース前に手順ガイドを公開すると述べています。
それまでの間は、公式アプリまたは公式拡張機能のツールv2で資金を移行できます。YoroiからSecondFiへの移行手順がこの工程を扱っています。チームはハードウェアウォレットの使用と、確認前に送金先アドレス全体を1文字ずつ照合することを勧めています。ブロックチェーンの送金は取り消せないためです。自分のウォレットが対象か迷う場合は、公式チェッカーがまずそれを答えます。
シードを渡さずに資金を回収する仕組み
ゼロ知識証明(ZK)を使うと、何かを知っていることを、それを明かさずに証明できます。ここでは用途が1つに絞られます。Cardanoウォレットのクレデンシャルを自分が管理していることを、秘密鍵も派生パスも露出せずに証明することです。
このツールはユーザー主導なので、Recovery Request(回収リクエスト)を始めるタイミングは自分で決めます。シードフレーズを求められることは一切ありません。代わりに回路が、クレデンシャルの派生元である拡張マスター秘密鍵を知っていることを証明します。
CardanoはCIP-1852に従ってクレデンシャルを派生させ、パスは m/1852'/1815'/account'/role/index です。回路はマスター鍵と、account・role・indexの各インデックスを非公開データとして受け取り(このデータはブラウザの外に出ません)、クレデンシャルを派生させ、そのハッシュを証明で唯一公開される値と比較します。一致すれば、鍵も派生パスも明かさずに証明が成立します。
なぜブラウザ上での証明が難しかったのか
システムはGroth16で、検証は軽く、証明の生成は重い方式です。proving keyは約1.2 GiBあり、そのためプロジェクトは gnark と gnark-crypto への7つのパッチを含んでいます。狙いは、鍵がサーバーへ送られることなく、自分のブラウザで証明を生成できるようにすることです。
zkSecurityの監査が見つけたもの
zkSecurityは2026年8月3日、Emurgo/proof-tool(コミット ba065e6)の監査をコンサルタント2名・2週間で受託しました。zkSecurityの監査レポートは自由に読めます。結果は高深刻度2件と低深刻度2件です。
重大な2件はSecondFiのコードにはなかった
高深刻度の2件はいずれもライブラリ gnark(v0.15.0)の上流コードにあり、自社リポジトリではありませんでした。エミュレートした体の乗算のキャリーにrange-checkが欠けており、Blake2b/SHA-512で使う演算の出力にも欠けていました。簡単に言えば、悪意あるproverが自分のシードから被害者の公開鍵を主張できた可能性があります。2件は gnark をv0.16.3へ更新して修正され(proof-toolのPR#7)、監査側が再確認・再テストして修正を確認しました。
未解決の2件は実運用で悪用できない
低深刻度の2件は自社リポジトリにあり、今も未解決ですが、監査側は実運用では悪用できないと評価しています。全体の結論は、重大なものはサードパーティの依存にあり既に閉じられ、未解決のものは自社コードにあって実害がない、というものです。高深刻度の未解決事項は残っていません。
コミュニティが求めていること、企業が触れていないこと
9月9日・12日・14日の公式ツイートへの24件の反応を分類すると、最も多い話題は企業の説明とは異なります。9件がNIGHT / Midnightトークン、さらに3件がその償還(redeem)の手数料についてです。公式ツイート3件はいずれもNIGHTに一度も触れていません。
NIGHTとMidnight:エアドロップ3と4、未完了のthaw
@midu97647902(9月)は3つの未回答の問いを並べています。「NIGHTトークンの償還はどうなるのか。償還の手数料にはADAが必要だと理解している。thaw 3と4がまだ残っている」。そして@YUBYEONGCHAN(14日)は具体的な事実を添えます。3回目のunfreezingはすでに終わったのに、そのエアドロップが見当たらない、と。
問題の核心は、インシデント後もトークンの解放が続くことです。今ADAを移行する人は、将来のエアドロップが古いウォレットを指す可能性があります。
手数料の非対称性
@yeck_ryan(9月):「今すぐ請求できるNIGHTの償還について、なぜネットワーク手数料を負担しないのですか。残高が足りない侵害済みウォレットから出せないのに」。これは公式発表自体に根拠があります。ツールv2は移行のネットワーク手数料を負担し、同じ負担は償還には告知されていません。償還には手数料分のADAが必要で、侵害されたウォレットには残高がゼロになったものがあります。
感情面の要約は@Chuntingkw95978(9月)が残しています。「約束どおり、ADAを返してほしいだけです。」ここで挙げられる「99%」は修辞であり、測定された数値ではありません。
この段階で詐欺を見分ける方法
- シードや秘密鍵を求める人はいません。SecondFiは決して求めないと明言しています。DMやメール、サポートチャットで要求されたら詐欺です。
- 専用の移行アプリも新しいサイトも存在しません。すべては既存のアプリまたは拡張機能の中で行います。
- 緊急性は最も分かりやすい兆候です。公式チャネルは9月末と事前ガイドに触れており、正当な相手が急かすことはありません。
公式チャネル:Xの@secondfiappと@secondfi_jp、ナレッジベース、チケットサポートです。
SecondFiの返還に関する未回答の疑問
返還はいくらで、何を対象にするのか
ADAだけか、トークンやNFTも含むのか、ウォレットごとの金額の計算方法もまだ分かっていません。6月26日の残高スナップショットが基準と見られますが、チームは確認していません。
回収の手数料は誰が払うのか
ツールv2は移行のネットワーク手数料を負担しますが、同じ負担は回収(recovery)には告知されていません。コミュニティで最も繰り返される質問の1つです。
NIGHT、Midnight、エアドロップ3と4はどうなるのか
トークンの解放は続いており、そのスケジュールはMidnightの公式FAQで公開されています。360日間にわたる25%ずつの4回の分割で、最初の解放は1日目から90日目の間のランダムな日に行われ、償還ポータルは450日間開かれています。依然として回答がないのは、影響を受けたウォレットからその償還の手数料を誰が負担するのかという点です。SecondFiは移行の手数料を負担しましたが、NIGHTについて同じことを発表していません。
確保された約129M ADAにIntersectはどう関わるのか
確保された資金の保管はまだ協議中で、複数アカウントを持つウォレットの扱いも明確ではありません。
Groom Lakeの報告(6月27日契約、7月20日結果)は「国家主体と整合する可能性のある指標」とLazarusとの関連の可能性に触れています。未確認の所見であり、評価中で、公表されたとおりに引用しています。
以前の経緯はSecondFiとYoroiのインシデントで何が起きたかを、日々の運用はCardanoウォレット比較とADAの委任方法をご覧ください。
出典
- @secondfiapp — Recovery Progress and Timeline(2026年9月15日)
- @secondfiapp — Security Audit Update: Asset Recovery Tool(2026年9月14日)
- @secondfiapp — Migration Tool Update v2(2026年9月9日)
- zkSecurity — Audit of SecondFi’s proof-tool circuits and gnark patches
- Emurgo/proof-tool — PR#7(gnark v0.16.3)
- 公式ナレッジベース · ウォレットチェッカー · サポート
2026年9月9日・12日・14日の公式発表への24件のコメントのサンプルです。世論調査ではありません。